中欧旅行

ご無沙汰しております。
3月9日から16日までお休みをいただき、中欧旅行へ行って参りました。


せっかくですので少しずつ更新しようと思っております。
個人的な覚え書ですので、文体等統一感がないですがご了承いただければ幸いです。




2012年3月9日(金)
<日本 大阪〜Holland Schipol空港〜Hungary Budapest>
天候:日本…小雨 Holland…曇り Hungary…晴れ


江坂発の御堂筋線にて出発。
ホームにてスーツケースの鍵を忘れたかもしれないことに気付く。


はるかに乗車。
自由席だが席はまばら。ゆるゆると天王寺を通過して関西国際空港へ。


出発ロビーを通過。
見送りに来た両親は間に合わず、ウイングより電話のみ。


搭乗手続き開始。
飛行機は10分遅れの11:25出発予定。
空色の機体は雨に煙り綺麗に見えず。
TwitterFacebook,Mailを一通りチェックして電源OFFに。


ようやくテイクオフ。
雲で景色は全く見えず。


眠ったり起きたり繰り返して気付けばあと3時間程。
食事は思ったより味もボリュームもまともで、これくらいなら続いても大丈夫かな、という感じ(ただ離陸直後の焼きそば(?)は不思議な味)。
オランダ航空(以後KLM)のJukebookを50曲いっぱいまで入れて、POP,ROCK,JAZZを雑多に聴きながら本を読んだりうたた寝したり。


Amsterdam Schipol空港着。
5時間余りのトランジットを空港内のショップ,美術館(国立美術館の別館だそうな)などを見て過ごす。
黒パンのサンドウィッチ美味。


乗り換えで改めてKLMへ。
小型便はほぼ定刻に出発。


Budapest国際空港からバスでホテルへ。
郊外は工業地帯のよう。
Pest側から市街地へ入る。
街並みはとても整った感じ。路地には駐車の列がぎっしり。
ドナウ川沿いに走り、川向うに王宮などを望む。
とても美しくライトアップされていた。
Buda側はもう少し街並みが入り組んでいる。
中心地のターミナル駅から5分程でホテルへ。


有難いことに部屋にはバスタブがあったので入浴。
部屋はツインで広さも十分。空調は効き過ぎるくらいで、消しておくことに。




2012年3月10日(土)
<Hungary Budapest>
天候:Hungary Budapest…快晴 気温:9~12℃


起床
部屋の中は暖房を切っていたが、十分に暖かだった。
窓の外に拡がる斜面の景色は朝の光で独特の色彩を帯びていた。


朝食
「R」F(日本では2Fにあたるフロア)にて朝食バイキング。
自由に出入りできるのが不思議な感じ。今回のツアー以外にも日本人観光客が多く、日本語とドイツ語がほとんどを占めていた。
ポテトサラダ,キャベツの酢漬け(というか酢「和え」という感じ),ラタトゥイユ,ウインナー2種,ハム2種,パン4種,フェタチーズと牛乳と採り過ぎる。ウインナーが美味。
食事のときにバルコニーに見えた鳥が、大きくて驚く。
食事後少し外へ出てみるとかなり冷え込んでいた。


出発
昨晩に続いてHungary人のガイドさんと市内観光。
午前中はドナウ川に霧が立ち込めているため、高台のBudaは後回しにしてPest側から。
「英雄広場」スケールが桁違いに大きい。
立っている銅像の高さもさることながら、広場の広大さがとても印象的。
中央に向かって左右に美術館。EUでの指折りのコレクションらしい。


「聖イシュトバーン大聖堂」どちらが正面と言われても分からないほど一面趣向を凝らした壁面。向かいの銀行までも芸術的だった。
聖堂はとても屋根が高く、内部も縦方向の空間が強調されていた(90数メートル)。
ただ、思ったほどの神聖さは感じられなかった。


ハンガリー刺繍の店
聖堂からほど近い路地にある小さな店。
日本人の店員さんがいて丁寧に説明してくれる。製作の実際はとても細かなもので、一本一本線を紡いでいく作業、そして糸を切っていく作業に気が遠くなる。
両家の祖母と自宅用に色彩豊かなタペストリー(?)を買い求める。


「王宮の丘」
昼近くなり「漁夫の砦」,「マーチャーシュ教会」がある王宮の丘へ向かう。
「くさり橋」を渡りBuda側の山(丘?)へ上がるが、麓のケーブルカーそして王宮の丘直下を貫くトンネルが何より目につく。とても大きなトンネル。
相変わらず駐車車両がいっぱいの坂道を登り、漁夫の砦の真下へ。
階段を上がり、写真を何度も撮りながら徐々に高みへ。
上がりきると観光客が大勢いて、鷹匠なども。€6-で手にオオタカを乗せてくれるらしい。階段のところにいた、鳥の鳴き真似をする大道芸人も面白かった。大変賑やかしいが、さすがというかギターとバイオリンの奏でる二拍子はなんとも中欧らしかった。
砦の城壁上から一番の絶景を眺める。先程までいた川向こうの大聖堂や国会議事堂(これも素晴らしい建築)を一番手前にしてPest側の大平原がかなた遠くまで見渡せた。


マーチャーシュ教会は先程の大聖堂よりもその歴史を遥か遡る。
内部は大改修中だったが、厳かな空気はひしひしと感じられた。
ステンドグラスが極めて鮮やか。色がとても濃く、昼の光を浴びて神秘的に輝いていた。それを宗教に取り入れた先人はよく思いついたものだと思う。
2階(3階?)へと狭い階段を上がる。宗教的な品々が改装のため外されており、逆に間近から見物できた。十字架にかかるキリストはとても生々しく、血などは今でも流れているのではないかと思うくらいに赤黒かった。


王宮の丘を後にし山を下りる。登りとは逆に西側へ下り、先程くさり橋のたもとから見た大きなトンネルをくぐり、くさり橋から再びPest側へ渡る。
インターコンチネンタルホテルの前でバスを降り、皆で近くのヴルシュマル広場にて解散。


昼から夕飯までは自由行動。
ガイドブックなどで調べていた「中央市場」へ。
繁華街を抜けてひたすら南へ向かうと突き当りが中央市場。建物の立派さに驚く。
ここに限らずやはりHungary、そして今回回った中欧は「石の文化」だと思う。何とは名前もついていないようなビルも様式は非常に重厚であった。
中央市場は14時までというのに多くの人々でごった返していた。
添乗員さんに教えてもらった揚げパンを食す。とても素朴に生地を伸ばし、油に放り込んだ(文字通り放り込むのだ)ものにトッピングをする。奥様はマッシュルームとチーズ,ハムの乗ったおかず風のもの、私は砂糖をまぶしただけのシンプルなものを選び、市場内のベンチで食べる。とても大きい上に具もたくさん乗っていて、これだけで十分に満腹になった。
途中トカイワインと一緒にスーパーで買ったガス入りのミネラルウォーターが美味しい。
市場は2階がフードコートのようで1階が市場本来の店々になっている。チーズやサラミ,青果とパプリカ(Hungaryではパプリカをスパイスとして用いる)の店が目立つが、どれもボリュームが多く、小さなフォアグラ(こちらでは庶民的な値段からある,高級品はもちろんそれ相応のお値段)とサフラン(こちらもとても安価)のみ買っておいた。


朝の「英雄広場」から見えていた美術館が気になっていたので、中心地の広場まで戻り地下鉄で移動。
この地下鉄は19世紀からのものということで、大陸では最古の地下鉄らしい。独特な紙(紙切れ、という趣)のチケットを使い公共交通機関は利用できる。
切符を買ったら脇にある小さな黄色い機械にチケットを差し込み(つまりこれで改札したことになる)入場した証明にするのであった。チケットの端が切り取られるだけで非常に心もとないが、特に検札などを受けるわけでもなく車内へ。
小さな2両編成の黄色い車両は音がとても大きく、ドアが閉まる度、発停車する度、目が覚めそうな音を立てる。
8駅ほど乗って、英雄広場の脇へ到着。


「西洋美術館」
人影もまばらな正面の階段を上がりゴシック調の建物へ。
チケットは1,800Ft。買って入場すると荷物をクロークへ預けるよう促される。地下のクロークに荷物とコートを預け館内へ。
展示室までの回廊とも呼ぶべき大階段の通路を延々と歩く。中は吹き抜けになっていてとても広い。
スペイン関連のコレクションが有名と聞いていた通り、中世ヨーロッパの絵画が気が遠くなるほど続いていた。キリストの受難だけで何点だけで何点あったろうか…迷路のようになっている部屋部屋を進んでいく。
奥様が少し前に七藝へ見に行ったという映画『ブリューゲルの動く絵』、そのBruegelの絵画を見つける。自然や動物を対象にしたJan Brueghel the Elderの作品と人物を対象にしたPieter Bruegel the Elderの作品は対照的であった。奥様は後者、私は前者を気に入る。
スペインコレクションを越えるとオランダコレクションが始まる。オランダは色彩がスペインより柔らかい感じで個人的にはこちらの方が好み。
Camille Corotを思い起こすような絵があり、「Corotはオランダ?」と奥様に聞かれるが曖昧…(調べてみるとフランスらしい)。しかし、似たような色彩の作品が多かったため探していると2点収蔵されていた。
写実的なようでぼんやりとしたCorotの絵はここでもやはり綺麗だった。
後半は時間と集中力の限界から駆け足で鑑賞。
それにしても巨大な美術館で、絵画に造詣の深い人にはぜひ進めたい場所だった。


地下鉄でPest中心へ戻ってGERBEAUDのカフェへ。ガイドさん曰く19世紀からの歴史あるカフェということで価格も一流だったが、チョコレートケーキは抜群に美味しかった。ただ量が多く満腹になる。


夕食のため待ち合わせのホテルから船へ移動。名物料理のグヤーシュをいただく。
船は係留されており動かないが船での食事ということで友人の船上ウエディングを思い出した。
食後はドナウ川クルージングのため、「動く」船へ移動。両岸の歴史的建造物やBudaとPestを繋ぐ橋々を見ながらだったが、季節柄甲板は冷え込み、折り返しの手前で船内へ降りる。J.シュトラウスを聴きながら30分程うたた寝した。