中欧旅行 part3

2012年3月12日(月)
ほんの少し続き


ホテルへチェックイン。
ものすごく巨大なホテルだった。1000室,会議の収容人数は5000人らしい。
スポーツ団体の少年少女達が団体用フロント(一般のフロントと別!)にごった返し、なかなか入れなかった。
ポーターも対応できず自分達でスーツケースを部屋に上げる。狭いエレベーター(4人くらいが限界),自動で消えてしまう照明の廊下を抜け部屋に入る。
5〜6人は入れるかと思える部屋にベッドが2つだけ。洗面所も広大で、共産圏のパワーをまざまざと感じる。色々と落ち着かない部屋だったが、自由時間によく歩いたことと、そして何よりPrahaの力に圧倒され疲れていたので、そのまま眠りに落ちる。




2012年3月13日(火)
<Czech Cesky Krumlov〜Austria Wien>


レストランは「一般の」フロント奥にあったが、廊下の長さが尋常ではなかった。サイズと味は当然比例しないが、何となく多く食べるくせがついてしまい、結局腹いっぱいに食べる。
前日は出発ギリギリだったので、早めに部屋を出てフロントへ。スポーツ集団(イタリア人らしい)を脇目にバスへ。
一路Cesky Krumlovへ。前日の疲れもあり半分くらいうとうとしながら、バスは徐々に高度を上げていたようだ。道の脇には黒っぽく固まった雪も残っている。


予定より少し早くバスは村の外の駐車場へ。
降りた雰囲気は昨年行った信州と似たようなところがある。郊外の避暑地(のシーズンオフ)といった感じで、駐車場も閑散としている。
谷間のアーチは城(Cesky Kromlov城)のためのアーチだったようだ。アーチをくぐると箱庭というか宝石箱というか、本当にこじんまりとしたそして本当に美しい町並みが見える。Prahaも上からの眺望が素晴らしかったが、Cesky Kromlovのそれは凝縮感というか、何もかもその景色を作り出すために存在するようなものであった。ヴルタヴァ川に抱かれた小さな小さな町はそこへ入る前からこの旅でのハイライトに近づいたことを予感させる。


狭く曲がりくねった路地を抜け、メインストリートと思しき通りに出る。ヴルタヴァ川にかかる木の橋から見上げる城は、そこに建てた手法を考えたくなるような、緻密な計算の上に建っていた。
皆で路地裏(この町は全てが路地裏と言っても過言ではない)のレストランへ行き、昼食を取る。本当にどの路地を切り取ってみても可愛らしく美しい。
現地のガイドさんが遅れていたため、添乗員さんのおすすめスポットを案内してもらう。中心の広場から少し坂を上がったところにある小さな広場は、ヴルタヴァ川を挟んでCesky Kromlov城が一望できる絶好の撮影スポットだった。パノラマにして残しておきたい景色。ガイドさんが到着するまで退屈することはなかった。


展望スポットの向かい、HOTEL ROUGE(ぜひ泊まってみたい!)の隣にある聖ヴィート教会へ。Prahaを見た後では特に何か特徴があるような教会ではなかったが、郊外の教会ということで古ぼけた趣きがある。静かな空間だった。


中心の広場そしてメインストリートというには少し小さな通りを抜け、城へ上がる。
内部は冬期閉館と言われていたのでさほど期待していなかったのだが、いくつかの中庭を通り抜けるなどほとんど内部と言っていいところを通りとても楽しめた。城もPrahaに比べればずっと傷んでいたし、また装飾などもそこまで目を瞠るものではないが、山を登りながら近づきその中をまた登っていく道々はとても印象的で前も後ろもずっと見ていたい、そんな道のりだった。
城を上がりきると先程下をくぐってきたアーチの上へと出る。町そしてヴルタヴァ川を眼下に一望できるその場所はCesky KromlovそしてCzechの中でも5本の指に入るのではないだろうか。
しばらく写真を撮ったり景色をのんびり眺めたりして過ごし、町ではほんの少し自由時間。迷った後にピエロのマリオネットを買いCzechの記念品とする。


バスへと戻りWienへ向かう。
道は相変わらず山の中を進み、Swissへと亡命したトラップ大佐の映像が思い起こされた。国境はごくごくシンプルに通過。昔は検査所があったようだが、今は建物が残るのみだ。
Czechで買ったルートマップを見ながらAustria最初の街Lintzを通っていることが分かる。車が圧倒的に増えたように感じる。町にはScodaのディーラーもあったが、ドイツ車の割合が増えているようだ。ハイウェイから見える景色も少しずつ変わってきた。ドイツ風なのか黒い屋根に小さい窓、白やピンクの壁の家々が目立ち、オレンジ色の屋根はほとんど見られなくなった。


夕闇が迫りバスはWien市内の環状道路で都心部へと進んでいく。ゴシック調の建物が多く建ち並んでいるがPrahaの後では麻痺してしまう。


ホテルは市内の中くらいの通りに面していて分かりやすい場所。綺麗なロビーにはバーもあり、この旅行で最も都会的な趣きだった。
夕食の前に荷物を部屋に上げる。部屋は内角部屋とでも言うべきか。少し広く隣がいない部屋でゆっくりくつろぐことができそうだ。


食事はバーの奥にあるレストランスペース(ここもおしゃれ)で、Wienner Schnizelをいただく。仔牛肉あるいは豚肉を薄く薄く伸ばしたカツレツはかなりのボリュームだったが、一流はもっと皿いっぱいになるほど拡げるらしい。衣の量ばかりが増えるではないかと思ったが、レモンと塩だけであっさりとした味付けではあった。デザートはザッハトルテ風のケーキ。スーパーは閉まっていたのでここでワインを呑んだ。白ワインはAustriaでは美味しいと聞いていたので白にしたが、確かに美味しかった。