キャンプの奉仕

この間から言っていたとおり、土曜・日曜とカブ隊のキャンプへ奉仕隊として行ってきました。場所は、若い世代の大津市民なら誰でも知っている、葛川少年自然の家というところです。葛川(かつらがわ)は大津市の最北端にある町。京都市大津市の市街のほうに住んでいる人だと、福井県に抜けるとき以外、普段はまず通ることが無いところなのですが、「誰でも知っている」のはなぜかというと…それは、小学校(私は中学校でも)のときにここへ校外学習で来るからです。私たちはそういう呼び方はしませんでしたが、いわゆる林間学校と呼ばれるものでしょうか。大津市の小学校では(たしか)4年生のときに1泊2日で、飯盒炊爨(こんな字を書くんですね)や焼き杉、山歩き、キャンプファイヤーといった体験をしに来ることになっています。私の場合、家族でも一度、中学校でも一度来たことがあるので、今回は4回目ですね(笑)
肝心のキャンプの話を。キャンプといっても、カブスカウトでは基本的に舎営*1ですし、食事も作ってもらいます。野営をするのは(狭義の)ボーイスカウトからですね。なので、キャンプでの奉仕隊の仕事というのも、それほど大変なものではありません。前日からリーダーのサイトを作ったり、キャンプ中は食事の準備をしたりと忙しい(暇な時間は寝ていたりしますが・笑)、ボーイのキャンプとは大違いです…その代わり、子どもたちと一緒にプログラムに参加することが多いので、そういったことが苦手な人には逆にしんどいかもしれませんが(^^;
さて、今回のキャンプですが…あまり良いとは言えない天候の中始まりました。まず着いた時点で地面は真っ白、前日から降った雪がまだ残っていましたし、その後も気温はあまり上がらない上、雪や雨が降ったり止んだり(^^;まぁ、たいがいこの時期、キャンプへ行くような山間のところでは、そういった天気になることが多いものですが、子どもたちにとってはかなりしんどいですよね。着いて簡単な開会式をした後は、野外料理だったのですが、下準備などは火もまだ着いていませんし、水も冷たいということで、みんな少し嫌そうでした(^^;上で、カブでは食事を作ってもらう、と書いたところですが、今回はプログラムの一環としての料理…この昼食だけが自炊なのですが、もちろん子どもたちはほとんどしたことも無いですから、デンコーチやデンリーダー*2、そして奉仕隊が補助をすることになります。デンコーチ・デンリーダーは組についてスカウトが出来ないところを文字通り補助するわけですが、奉仕隊はもっと裏方…自然の家から借りる用具を組ごとの分に分け、それを消毒しておくといったことや、かまどに使うレンガを運ぶというようなことをします。寒いので体が動かず、遅れるかと思いましたが、みんな火に当たりたいのか準備はさっさと終え、火の周りに集まり始めました。子どもが外で遊ばなくなったとか、ものの扱い方を知らなくなったとか言いますが、火を好きだというのはいつの世も変わらないんですね…みんな飽きずに火を見たり木切れをくべたり。この後は同じ場所で焼き杉もしたのですが、最後まで火の周りにいる子もいましたね*3
焼き杉の後は、交流を兼ねたオリエンテーション…シーツのたたみ方なんかを聞く時間ですが、今回は同じ日に大阪からガールスカウトが来ていたので、ミニゲームなどを取り入れたプログラムになりました。奉仕隊はその間にキャンプファイヤーの準備をしに行っていたので、どんな感じになったのかは見ていませんが、後から参加したリーダーに聞いたところでは、あまり交流にはならなかったようです(^^;何でも、毎回違う人と組みを作っていくようなゲームをしたそうですが、どちらも混ざるのを嫌がったとか(笑)
こういった施設の夕食はたいがい早いものです。オリエンテーションが終わって6時からは夕食の時間になります。主に小学生が使う施設なので、椅子や机は小さめ、料理も少なめです(笑)私のようにもともとそんなに量を食べない人間の場合、それほど苦にはなりませんが、食べ盛りの中高生や、よく食べる大人の人には物足りないでしょうね。しかも自然の家では飲食物は持ち込み不可(^^;早い時間に少ない食事を食べたら、夜中にお腹がすかないわけが無いのですが、消灯時間も早いため、そういう配慮もありません…今回は隊のほうで、スタッフ用の夜食をこっそり持っていったのですが(笑)、デンコーチなんかはかなりがっついていました(^^;
食事の後はキャンプファイヤーキャンプファイヤーは団体によって、いろんな形式のものがあるようですが、ボーイスカウトの場合はたいてい、みんなで騒ごうといった感じのものになります。アクションを交えた歌が多いですね。組ごとの出し物として、歌と寸劇もあって、だいたい全部で1時間程度…短いようですが、前に立つリーダーは最後のほうけっこうしんどくなってくるので、このくらいが適当かもしれません(笑)私なんかは1曲前でやっただけでもけっこう息があがりました(^^;スタッフがキャンプファイヤーで楽しみにしているのは、キャンプファイヤー自体よりもその後かもしれません…最後の歌でスカウトを見送った後、スタッフは薪が灰になっていくまで火の周りでだらだら話すのですが、何でもないそのことが意外と一番面白かったりするんですよね。カブの場合、この時間でリーダーはスカウトがお風呂へ入ったり、寝る準備をしたりするのを見ないといけないので、奉仕隊だけが残りましたが、ボーイのキャンプではかなり夜更けで火を囲んでいることが多いです。今回はカブのキャンプですし、しかも燃え残りがあっても施設のほうで処分してくれるということだったので、奉仕隊も1時間程度しか火を囲みませんでしたが、それでもやはり楽しい時間だったように思います。たわいも無い話がほとんどなのに、火があるだけで普段とは違う雰囲気になるんですね。
カブのキャンプではお風呂に入れるというのが嬉しいことのひとつです。ボーイのように野営だと、わざわざドラム缶で沸かすというのは大変ですし、実際ほとんどはお風呂が無い生活になるのですが、キャンプではもちろん汗もかきますし、火の近くにいればすすなんかでどろどろにもなるので、有るのと無いのとでは寝るときや次の日の気分が全然変わってきます。自然の家は学校単位で宿泊出来る作りですから、お風呂はかなり広大…でも、私たち奉仕隊が入るころには、スカウトたちも入った後なので、大人でも10人くらいは余裕で入れそうなところに3人だけ、という貸切の状態でした…奉仕隊の女性は1人だったそうですが(笑)
お風呂上りにはスタッフ会議。翌日のことについて確認をしますが、翌日といっても昼過ぎには帰りのバスに乗るので、簡単に済ませて終了しました。いつもならこの後カップラーメンやお酒・おつまみの時間なのですが(笑)、さすがにお湯をもらうわけにもお酒を持ち込むわけにもいかないので*4、今回は軽いスナック類のみです…私たちが手をつけようとしたときには、デンコーチ2人が半分以上食べてしまっていましたが(笑)飲み食いをほとんどしないせいか、スタッフは珍しく早く床へ就きました。
朝、起床は6時半。朝食がある8時までスカウトたちは散歩で出かけます。その間に奉仕隊は昨日しきれなかった、キャンプファイヤーの後始末…寝ぼけ眼ですが、今回は奉仕隊もスカウトと同じバスで帰ることになっていて、あまり片付けなどをする時間は無いので、さっさと片付けてしまいます。
夕食と同じくやはり量の少ない朝食を食べ、朝礼を済ますと早々に次のプログラム、ハイキングが始まります。自然の家で用意されたアトラクションを回り、その後自然の家周辺を少し歩いてくるというもので、奉仕隊を含めたスタッフが各ポイントにつきます。私が担当したのは2ヶ所あって、ひとつは木登り。アトラクションというか、単に木に登ってみようということで、少し普通より登りやすそうな木がポイントになっています。木に登るのはこつがいるので、したことが無い子には難しいかな、と思っていましたが少し手伝えばほとんどの子は登れましたね。ひとりだけ、すごく身軽な子は大人でも登れないようなところまで軽々登ったのですが、逆にあそこまで行かれるとこちらが怖いですね…何かあっても助けに行けません(^^;
全組が木登りを終えた時点で、私は次のポイントへ…スカウトたちは暗号を解いたり、他のポイントに寄ったりしながら歩いていくので、先回りをします。次の担当は「人間キムス」…キムスとは、観察力を試すゲームで、最初いくつかの品物を並べたところを観察し、それを一旦隠して物を換え、また観察してどこが変わっているかを見つけるというものですが、今回がそれの人間版。最初に服装を観察し、今度は着替えた後を観察して、変わったところを見つけます。ポイントはペアで担当し、私は説明役・もうひとりが着替える役になりました(私のほうがかなり楽ですね・笑)換える箇所は10。それが3組あるので、着替える役は相当大変だったそうです(笑)
ポイントが終わった後は、自然の家へ戻り、奉仕隊はスタッフの車に荷物を積み込みます。プログラムで使ったものを運び、だいたい片づけられました…が、戻ってみると実は私たちの部屋が一番散らかっていたり(^^;
朝から少しずつ時間が遅れてきていたので、バスまでにあまり余裕がありませんでした。スカウトたちがハイキングから戻ってきたらすぐに昼食、そして閉会式と駆け足で行ないます。スタッフも急いで片付けを終わらせ、全員何とか時間通りにバスへ。バスに乗るのは1時間程度ですが、ほとんどの人はずっと寝ていました。一部元気なスカウトの横に座ってしまったリーダーは眠れなかったようですが(笑)
いつもカブ隊が活動している上終公園というところで解散式をして、キャンプは終了…1泊2日と、キャンプに慣れた人にとってはかなり短く感じる期間でしたが、初めて行ったスカウトにとってはきっとすごく長い2日間だったのではないでしょうか。

*1:テントで泊まるような野営と異なり、ちゃんとした建物で泊まるという意味なのですが…PCでは変換出来ませんね。ボーイスカウトでしか使われない語なのでしょうか。

*2:カブスカウトは基本的に「組」という単位で活動をします。そこでは年長者のスカウトが「組長」「次長」として組を引っ張るわけですが、小学校4,5年生の子どもがいきなり全部のことを出来るわけではありません。そこでその補助に入るのが「デンコーチ」「デンリーダー」です。「デンコーチ」は少し年齢が上のボーイスカウトのスカウト―お兄さん役といったところでしょうか―が、「デンリーダー」は保護者の方が男女1人ずつ、それぞれ基本的には1年間務めるということになります。ちなみにこの「デン」というのは、昔「組」のことをそう呼んでいたことから来ています。

*3:扱い方という面でいうなら、これからボーイスカウトになって本格的に火を使うようになるなら、ちゃんとした火の扱い方は知っていかなくてはいけません。でも、それにはこうやって楽しむことから始めれば良いのでは…どうも昨今のそういった議論では、扱い方を知らないことばかりが言われているようですが、それは初め当たり前のことであって、知らないからといって遠ざけることは何の解決にもならないと思います。では大人が懇切丁寧に教ればいいかというと…それも違うのでは無いでしょうか。子どもたちは楽しんでやっている間に、上手くいかないこともあるでしょうし、いろいろ危ない目にも遭うでしょうが、でもきっとそういうことを重ねる中で学んでいくんだと思います…もちろん最低限のことは教えなければいけないでしょうが。実際、私はそれなりに火を扱えるつもりですが、それを誰かにしっかり教わった覚えはありません…人のやっているのを見たり、それを真似ている間に覚えたのでしょうね。せっかく子どもたちが楽しんでいるなら、ある程度好きに火遊びをさせておく、というやり方はひとつの解決策ではないでしょうか。

*4:最近、ボーイスカウトの活動ではお酒を出来るだけ排除する動きがあるようです。外での活動で何かあったときに、お酒が入った状態では話にならないし、責任も取れないというのがその理由のようですね。他にも子どもの健康に配慮して、スカウトの前では禁煙するというのもルールになっています。ボーイスカウトはいろいろと、旧態依然としたところがあって、なかなかこういうことが進まないことが多いのですが、お酒とタバコに関してはかなり徹底されてきているようです。