里山

今日の授業は、全授業とも前期と先生が同じでした。授業の名称は変わっていたりしますが、基本的には内容も前期の続きです。

  1. 英語ⅠB
  2. 仏教の思想B
  3. 生物と環境

今日面白かったのは「生物と環境」で見たビデオでした。今授業でしているのは、人の手が入っている自然に生きる生物について、です。「人の手が入った自然」という日本語は変に思われるかもしれませんが、これは長い間に渡って人が保ってきた土地のことだと思っていただいてけっこうです。近代以降、このような土地に人の手が入らなくなり、このままではそこに住む生物が絶滅してしまうという問題が、ここ何回かの授業では話されています。人が完全にいない状態がもともとの自然なのですから、手を入れないと生きていけないような生物、というのはおかしいようにも聞こえますが、これは現在の地球環境を考えてみればしかたのないことなのです。
このような生物たちは人がいなかった昔からいたはずなのに、なぜ今は人が手を加えたところでしか生きられないのでしょうか。それは彼らが棲める環境はある特殊な環境に限られているからです。原初の自然では、天災などによってそこだけ荒地になったようなところがいくつも出来ます。そしてそこには、そういった環境が整うまで長い間種のまま生きられ、かつ、荒れた土壌でも強いものが発生します。それから少しずつ、いくつかの段階を経てもとの自然の状態まで戻っていきます。人が手を加えたところでしか生きられない生物というのは、つまり、そのいくつかの段階のうちの一部(人が手を加えたところがたまたまそれと同じ条件を持っていたわけです)でしか生きられない種なのです。今、人の手が加えられなくなるといけない、というのは、現在の自然は人によって改変され、放っておいても、原初の自然のような荒地からの段階的な遷移が出来なくなっているからです。自然…人の手が入らない状態が生物にとって最良だというのは、現在では必ずしも正しくないのです。
で、ビデオでしたね(笑)見出しにも書いたように里山、人が手を加えた自然の代表です。里山学の第一人者、今森光彦さんが主に作られ(と思います、クレジットを見た限り)、NHKの番組として放送されたものでした。きれいな景色と、多くの動物たちが印象的でした。上に書いたような小難しいことは抜きにしても、十分楽しめ、実際里山に行ってみたくなる、そんなビデオでした。